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そもそも公務員試験を受ける前に、自分はいったいどんな公務員になりたいのか、きちんと決めなければなりません。公務員になって働きたいのかサボりたいのか、役所の中でどういうポジション(役職や階級とはかぎらない)で、どういう姿勢で仕事をしたいのか。
上の図を見ながら、まずは考えてみましょう。
どのコースを目指すのかを決めないことには、すべての公務員試験対策はスタートできません。
1.エース職場の業務の中核を担う有能で意識の高い職員を指します。誰に言われるでもなく、自ら率先して手を挙げて仕事に積極的に取り組みます。10言われれば100働き、何も言われなくても100働く人です。
2.凡庸人A自ら率先して新しい仕事に取り組もうとはしませんが、エースが何か提案すればそれに積極的に賛同し、自分も動いてエースを助けます。10言われれば12働き、何も言われなくても10働く人です。
3.凡庸人B自ら率先して仕事に取り組もうとしません。最低限のことはやるものの、それ以上の仕事に対しては傍観的・消極的な態度をとります。10言われてやっと10だけ働き、何も言われないと8しか働きません。民間・役所を問わずこういう人は多いですね。「公務員だってマジメに働いているんだ」という場合、この凡庸人B程度で「マジメ」と主張することも多いです。
4.ダメ職員なるべく仕事をしないで済むよう、常に逃げ腰です。あまりにも能力が低すぎて、仕事ができない場合を含みます。問題意識に乏しく意欲というものがまるで感じられません。10言われても1しかできず、何も言われないと0しかできません。公務員版のクビ(ちゃんと法律にも規定がある)、分限免職処分が与えられるべきです。
さあ、皆さんが目指すのはどれでしょうか?
予備校に通うこと数十か月。試験を受け続けること数か月。勉強のかいあって筆記試験にはどうにか合格できた。長かった公務員試験もあとは面接の結果を待つばかり。
そして暮れも押しせまった12月某日。ポストに封筒が届く。
おお、自分が受験した市役所からだ。はやる気持ちを抑えて封筒を開く。
「先日実施しました採用面接について、慎重審査の結果、まことに残念ですが、ご期待に添い得ないことになりましたので通知します。」
ふーん、なんだ、不合格か。
って…ちょっと待て!
公務員に進路を絞っていたんだぞ。民間企業の就職活動はしていないんだぞ。ってことは何か、オレは4月からフリーターってことじゃないか。そんなバカなっ。
これまで多大な時間を費やしてきたあの受験勉強は、じゃあいったい何だったんだ?もう1年、最初から受験勉強をやり直せっていうことか。だから、筆記試験には合格したじゃないかよ。いったいどうなっているんだ?
自分には公務員になる価値がないのか?自分を押しのけて合格したのは誰だ?まったく見る目のない役所の連中め。腹立たしいったらありゃしない。
ああ、それにしても12月にもなって浪人決定か。すでに後輩たちが就職活動をしているというのに自分ってば何をやっているんだろう。まさか自分がフリーターになるとは思いもしなかったなぁ。
この先自分の人生、いったいどうなるんだ?一生就職できずにフリーターだったらどうしよう。来年もまた落ちたらどうしよう。こんなことになるぐらいだったら、民間企業も受けておけば、ヨカッタなぁ…。
今はやりの「勝ち組」「負け組」でいえば、まちがいなく自分は「負け組」なんだろうな…。はあ、情けないったらありゃしない…。「勝ち組」とか「負け組」ってイヤな言葉だよなあ。
怒り、悲しみ、敗北感、虚脱感。たかが試験に落ちただけとはいえ、明るい自分の未来がまるで思い浮かばない。しばらく何もする気が起きない。
そして卒業式の日。進路が決まっている同輩たちの顔はみなほころんでいる。それなのに自分だけは浪人だ。ちっともめでたくない卒業式になってしまった…。
いったい、どうすればよいのだ。
公務員と聞いてまず連想するのは「安定している」ことです。「私は公務員をやっています」と言うと、10人中9人くらいは「いいですねぇ、安定していて」と言います。そうです。公務員は「安定」しており、終身雇用が崩壊したといわれる中、その安定性が公務員という身分の魅力の一つとなっています。
そして10人中おそらく8人くらいは「公務員かよ。お気楽な身分だよな」などとひそかに妬んでいます。公務員自身がどんなに真面目に誇りをもって仕事をしていても、周りからは「お気楽な身分だよな」というマイナスイメージで見られます。
そこでここでは、公務員志望者向けに簡単なテストをすることにします。あまり考えこまずに、パッパッパッと答えてみてください。
問1 あなたは公務員についてどのようなイメージをもっていますか
( )
問2 あなたが公務員になったら周りからどのような目で見られると思いますか
( )
問3 あなたは問2のような目で見られて平気ですか
ア 平気である イ 平気ではない ウ その他( )
いかがでしたか。すべての質問に答えられたでしょうか。もちろんどのように答えても公務員試験を受けることはできます。
しかし問3についてだけは「イ」と答えた人は問題があります。平気ではないのならば公務員になるべきではありません。周りの目や公務員批判に耐えられない人は、公務員試験を受ける前に別な道を探しましょう。
公務員になるということは、永遠に周りから問2のような目で見られるということでもあります。
ちなみに公務員試験の面接では「市民から嫌われる仕事をやらなくてはいけないときにあなたはどうしますか」「公務員批判についてどう思いますか」という質問をよくされます。
これらの質問についても、自分なりの答えがあればそれでよいでしょう。どのように身を処すかは自分の中にしか答えがなく、また「自分の中に答えがあることそれ自体」が最も重要だからです。
「マスコミが煽る公務員批判はやっかみからくるものである」
「公務員は常にいかなる批判でも甘んじて享受し、耐えるべきものである」
何と答えるにせよ、自分で態度を決められればそれでいいのです。
ただ、自分がどのような態度であるにせよ、公務員になった途端に公務員以外の周りの人から羨望や嫉妬や軽蔑の目を向けられることは決定的であり、このことについてまず自分なりに納得しておく必要があります。
冒頭にも挙げましたが、公務員はその働きぶりによって以下の4種類の職員に分類できます(公務員にかぎりませんが)。まずはその4種類についてもう一度、見てみましょう。
これは本当に、受験勉強を始める前に考えるべき、職場の真実です。
(ア)エース職場の業務の中核を担う有能で意識の高い職員を指します。誰に言われるでもなく、自ら率先して手を挙げて仕事に積極的に取り組みます。10言われれば100働き、何も言われなくても100働く人です。市民から見れば理想的な職員です。キーワードは「有能・向上心」です。
(イ)凡庸人A自ら率先して新しい仕事に取り組もうとはしませんが、エースが何か提案すればそれに賛同し、自分も動いてエースを助けます。10言われれば12働き、何も言われなくても10働く人です。キーワードは「達観・良心」です。
(ウ)凡庸人B 自ら率先して仕事に取り組もうとはしません。最低限のことはやるけれどもそれ以上の仕事に対しては傍観的・消極的な態度をとります。10言われてやっと10だけ働き、何も言われないと8しか働きません。キーワードは「達観・あきらめ」です。
(エ)ダメ職員 なるべく仕事をしないで済むよう、常に逃げ腰です。あまりにも能力がなさすぎて仕事ができない場合を含みます。問題意識に乏しく意欲というものが感じられません。10言われても1しかできず、何も言われないと0しかできません。キーワードは「無能・無気力」です。
公務員を目指すみなさんは、公務員試験に合格した暁には(ア)〜(エ)のうちどのような公務員になりたいのでしょうか。それを考えないことには試験勉強にも身が入らず、面接対策でも苦労します。
筆記試験の勉強だけに夢中になっていると忘れがちですが、まずは役所に入った後の自分のゴール地点を設定するべきです。
いや、公務員を目指すならば誰もがおそらく似たようなことを漠然と考えていることでしょう。いわゆる「志望動機」というやつです。
「市民のために役立ちたい」
「安定した待遇を手に入れて、結婚や出産した後も正職員として働き続けたい」
「あまり働かず、ノホホンと過ごして給料と休みだけが欲しい」
「行政を使って自分の夢を実現したい」
「ほどほどに働き、プライベートも楽しむというバランスのとれた生活を送りたい」
「公務員になって、社会的弱者を救済したい」
「民間に落ちまくって就活の元気がないからとりあえず受けている」
これらのどれもが(面接でこのとおりに答えるかどうかは別にして)自分なりの公務員試験の志望動機になりえます。
ただ、そのような面接で直接問われる「志望動機」を考える前に(つまり筆記試験の勉強を始める前に)、自分が役所を目指すのはズバリ「働きたいから」なのか「働きたくないから」なのか、すなわち(ア)〜(エ)のうちどれを目指しているのかを、自分で確認しておく必要があります。
面接における志望動機の重要性は、すでに多くの面接対策本や面接対策講座が指摘しているとおりです。しかし表面上の志望動機よりも重要なのは、むしろこのような(ア)〜(エ)の区分ではないでしょうか。面接では、志望動機を答えたらそれで終わりではなく、そのホンネを探るべく、二の矢三の矢の質問が繰り出されます。
実際の役所に入ってからの職員の働きぶりは、役所に入る前に考えていた志望動機の内容や高尚さとはあまり関係ありません。それよりも(ア)〜(エ)のどれを選ぶかによって職員の働きぶりが左右されるということは、入庁間もなく実感することでしょう。
(ア)〜(エ)のどれを目指すのかが定まらないのに、面接で堂々と志望動機や自己PRをすることができるでしょうか。
(ア)を目指すというのなら(ア)なりの話し方があり、(エ)を目指すというのなら(エ)なりの偽装の方法というものがあるわけです。
正直路線で行くのか(正直なだけではダメですが)、それとも偽装して面接に臨むのか。これをまず決めるためにも、「志望動機を考えるより先に」そもそも自分は働きたいのか働きたくないのかをハッキリさせておきたいところです。
上の区分を読んで、言われないと働かない(ウ)のような職員や、言われても働かない(エ)のような職員を目指すなど許されるはずがない!と怒り出すマジメな方も中にはいるかもしれません。
そのとおりです。(ウ)や(エ)のような職員やそれを目指す受験生など、市民にとっては実に迷惑な存在です。そしてそのような人は公務員試験を受けるべきではないと、正論をふりかざしてお説教するのは簡単です。
では視点を変えてみましょう。自分の家族や親しい友人で、まだ就職が決まっていない人がいたとします。彼らにとっては、アルバイトや無職の身分を脱出して定職に就くことそれ自体が最大の関心事です。
フリーター(特に一人暮らし)の給料日前、預金の残高が残りわずか数万円(あるいは数千円)しかない…このような恐怖感はなかなか忘れられるものではありません。
そんな彼らに向かって「キミが(ウ)や(エ)を目指すというのなら公務員試験を受けるべきではない」などと正論をふりかざしてお説教できるでしょうか?就職が決まっていない友人に「大して働く気のないのなら、公務員試験なんか受けるなよ」などと言えますか?
現実のアドバイスとしては「とりあえず公務員試験でも受けてみたら?」になると思います。(ウ)や(エ)を目指す受験生に受験を断念させる権限など誰にもありません。受験生本人も、他人から「キミは公務員試験を受けるべきではない」などと言われてもハイやめますと言って受験を断念するはずもありません。
ついでに現実の役所を見てみると、(ウ)や(エ)のような職員は大勢おり、そんな彼らでもまんまと給料をせしめていることがわかります(役所にかぎりませんが)。それでいいか悪いかは別として(悪いですが)、これが現実です。
ただ、そのような現実は現実としてあるわけですが、このことが公務員試験に関する幻想を生み出しています。今、実際に役所の中に(ウ)や(エ)のような人がいるのならば、(ウ)や(エ)を目指しても合格できるのではないかという誤解です。
その結果、とりあえず公務員試験でも受けてみるかというお気軽感覚な人が増え、試験によっては競争倍率が数十倍にまで跳ね上がります。
しかしこの幻想は正しくありません。たしかに現実の役所には困った人たちも大勢いるのですが、役所だって(ウ)や(エ)のような職員をさらに増やしたくて公務員試験を実施するわけではありません。
何のために公務員試験を実施するのか。もっとハッキリ言うならば何のために面接があるのか。それは今役所が抱えている(ウ)や(エ)のような人がまき散らす害毒を中和するためです。
つまり受験生に対して求められているのは、現実に役所の中にいる(ウ)や(エ)のような人になることではなく、(ウ)や(エ)のような人がはびこる役所を改革することです。
これで答えが一つ出ました。たしかに(ウ)や(エ)になりたい人でも公務員試験を受けることはできるし、それを止めることは誰にもできません。
しかし試験では、特に面接では(ウ)や(エ)のような人は明らかに不利であり、(ア)や(イ)のような人であれば考える必要のない「偽装工作」をしなければなりません。工作してもちょっと突っ込まれればたちまちボロが出ます。
(ウ)の凡庸人Bや(エ)のダメ職員になりたい人は、自分の本音と後ろめたさに動揺するくらいならば、初めから腹をくくって偽装工作能力を試すのだと割り切るべきです。
さあ、試験勉強を始める前に(ア)エース、(イ)凡庸人A、(ウ)凡庸人B、(エ)ダメ職員のどれになりたいか、決めましたか?
これを決めないことには、勉強にも身が入りません。
「先輩、市役所に入りたいんですけれど、やっぱりコネがないとダメですか?」
「ああ、市町村はコネがないとまずダメだね」
「そんなことないよ。コネなんかなくても合格できるよ」
「もう今年で●歳になるけれど、やっぱり高齢だと面接のときに不利なのかな…」
「あたりまえだろ。そんな年齢で職歴のないヤツなんか採るわけがない」
「いや、高齢でも合格している人はいるよ。だから合格するよ」
「とにかくどこでもいいから役所に入りたいけれど、自分が住んでいない町だと面接で落とされるのかな?」
「もちろん市町村は地域に住んでいる人を優先させるだろうよ」
「いや、市外に住んでいても合格している人はいるよ。だから合格するよ」
とにかく、公務員試験についてはいろいろな人がいろいろなことを言い、さまざまなウワサや憶測が無責任に飛び交っています。それらに惑わされると勉強が手につかなくなり、公務員試験から逃げ出したくなります(すると合格できなくなります)。
ここでは、公務員試験に関するさまざまなウワサを整理していきます。冷静にウワサを分析し、自分の対処法について考えてみましょう。
ウワサの真相を確かめることそれ自体が重要なのではなく、あくまで自分自身が試験勉強と面接対策に集中するための分析です。
まずはコネに関するウワサを分類します。
(ア)公務員試験ではコネは一切不要
(イ)筆記試験ではコネは関係ないが、面接ではコネがある方が有利
(ウ)筆記試験を受ける前からコネがある方が有利おそらく公務員試験の予備校も役所の人事担当者も、公務員試験でのコネの有無をきかれれば(ア)のように答えることでしょう。コネなど一切関係ありません、と。
かくいう私も、とある役所の具体的なコネの話を耳にするまでは長らく(ア)説の信奉者でした。コネがなくちゃ受からないといっているヤツは、負け惜しみを言っているだけだろう?と。
ところが現実には、首長や幹部職員が、金品と引き換えに依頼者を公務員試験に合格させたということで、しばしば収賄容疑で逮捕されています。つまり発覚するしないは別として、コネというものは実在するわけです。
また、役所特有のムラ社会や(田舎ほどその傾向は強まることでしょう)、役所の管内に居住する「地方名士」の存在を考えれば、これは役所によっては、まちがいなくコネ採用というのは実在するな…というのが私の感覚です。
とはいえ、すべての公務員試験でコネが効くわけでもなく、「公務員試験にコネは必要か」という疑問には「はい」「いいえ」の一言で答えることができません。したがって上記(ア)〜(ウ)のような分類には意味がありません。
民間企業でも、コネが利く会社とそうでない会社があるのと同じことです。
コネについてのウワサをあえて分類するとするならば、以下のようになります。ウワサの分類というより、役所の分類です。
(い)コネが一切不要な役所(がある)
(ろ)筆記試験に合格した後にコネが効く役所(がある)
(は)筆記試験を受ける前からコネが効く役所(がある)すべての役所は上記のいずれかに当てはまります。(ろ)や(は)のような役所がどこなのかは明らかではありませんが…。
なお、筆記試験については、多くの自治体が財団法人日本人事試験研究センターという内閣府所管の公益法人に問題の作成や採点を委託しているということは、ご存知の方も多いでしょう。
ただ、採点の際の得点操作ではなく、事前にコネを持つ人にだけ問題を漏洩すれば、筆記試験の外部委託も意味がなくなるわけですが、このようなことを考えてもキリがありません。
では次にコネの具体的な中身を見てみましょう。
(1)首長や幹部職員と知り合いである(知り合いになる)
(2)議員と知り合いである(知り合いになる)
(3)金品のやりとりをする以上でコネの方法の検討を終わります。
これ以上の具体的な方法が明らかではないからこそのコネであり、これは当事者のみぞ知るといったところです。ただ、実際に摘発された事例によると、これらの手法のうち複数を組み合わせてコネ採用が行われていると考えられます。
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